社長にとって大事なことの一つ。
それは、「数字で考える」ということです。
なぜなら、数字で考えないと、「感覚でものを言っている」ことになるからです。
数字は客観的であり、主観的な要素が入りません。
数字は嘘をつかないのです。
例えば、「最近なんとなく新規利用者が少なくなっている気がするな。」という時。
社員に「最近、新規の利用者さんが少なくなっている気がするけど、何か対策は考えている?」と聞いたとします。
すると社員から「え?実際はそんなに減ってはいないと思いますよ。営業はいつもと変わらずやっていますし、気のせいではないですか?」と言われてしまったとしたら。
感覚だけだと、「そうかな…」という返しになり、社員に対してそれ以上言うことができません。
でも、数字で考えている社長なら、
「そんなことはない。新規利用者は前月比80%だし、前年同月比でみても70%だ。新規利用者が減っているのには何か原因があるはずだ。」と変化についてハッキリと言うことができます。
さらに、もっと詳しく数字を把握している社長なら、
「新規利用者の内訳でみてみると、介護保険の新規利用者が減っていることが分かる。ケアマネさんからの紹介が減っているな。ケアマネさんへの営業が必要なんじゃないか?」と具体的な対策まで言及することができるのです。
今回は分かりやすくシンプルな数字の例でしたが、このように事業運営を数字で考えている社長は、事業の実態がよく把握できますし、対策についても的確で具体的に考えることができます。
このように、事業内容については「可能な限り数字にして考える」ことが重要です。
例えば訪問看護ステーションの数字でいえば、
- 相談件数
- 新規問い合わせ件数
- 契約件数
- 利用開始件数
- 紹介元割合
- 医療・介護割合
- 介護度別割合
など、ご利用開始に関する内容だけでも色々な数字があります。
こうした数字を知っているだけで、経営の舵取りが変わってきます。
社長の「主観」、「経営者としての勘」だけで経営をしていこうと思うと、一部の天才的な勘をもった経営者ならうまくいくかもしれませんが、多くの経営者はなかなかうまくいかないのではないでしょうか。
社長の感覚として「こうした方がいいんじゃないか?」と思ったとしても、数字がそれを裏付けていなければ、再検討が必要だと思います。
社長が普段から数字で考えていなければ、幹部社員に伝える時も感覚的な物言いになってしまうので、幹部社員も数字で考えるクセがつかず、事業運営がうまくいかないことがあります。
まずは社長が「数字で考えるクセ」をつけていきましょう。